OFF COLAにまつわる人、カルチャー、ものについて、幅広く連載するカルチャーメディア「OFF COLA CLUB」。OFF COLAの誕生秘話を松池自らが語る連載「OFF COLAができるまで」では、これまで意外と語られてこなかった話を全5回に分けて紹介していきます。
第3回目となる今回は、クリエイティブについて。
メディアやSNSで取り上げられると「従来のコーラではなかったようなデザイン」にスポットライトが当たることもしばしば。今回は松池が採算度外視で作り上げたと話す、OFF COLAのクリエイティブに込めた想いを明かします。
Text : Ayuka Moriya , Edit : Kyosuke Matsuike
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「オフタイム」のシーンの新たなアイコンを目指して
OFF COLAにおけるクリエイティブの判断軸は、それがオフタイムのシーンに相応しいか否かである、と言い切っていい。だから余白を大事にしているし、ロゴには波が揺らぐようなフォントを使用している。一文字一文字のゆらぎ加減をデザイナーと何度も微調整を重ねて、整えた。
「レトロで可愛い」だとか「コーラなのにおしゃれ」とコメントされることもあるOFF COLAだが、そのデザインは至ってシンプル。サーモンピンクの背景に夕日を連想させるオレンジの円が描かれた、キャラウェイのスパイスがアクセントの『pm6:00』のパッケージ。
一方、オレンジフレーバーが香るややスパイシーな『am2:00』のパッケージには、月をイメージしたイエローの円が描かれている。中央の円のモチーフはギリシャ・ローマ神話をはじめ、古来から人類にとって時間を象徴するアイコン「太陽」と「月」。
商品名とコンセプトが時間であるからこそ、太陽と月をモチーフに据えるという誰にとっても連想しやすいシンプルなロジック。そこには「世界中の誰かのオフタイムシーンに飲んでもらいたい、ひいてはオフタイムというシーンの新たなアイコンでありたい」という想いが込められている。
前職でアパレルブランドのクリエイティブディレクションを担うこともあった松池はそれが専門ではなかったとはいえ、一貫して「オフタイム」にふさわしいものであることにこだわった。それはコピーや写真、Webを見ても一目瞭然である。
一連の体験をイメージした先にあったのは「グラス」
より「オフタイム」にふさわしいクラフトコーラを形作るべく辿り着いたのは、グラスだった。幾多のショップやグラスファクトリーに足を運んだ末、選ばれたのは透き通るような綺麗なガラスに、ゆらぎを持たせたグラス。今や「OFF COLA特製グラス」としてグラス単体でも販売されており、まさにOFF COLAになくてはならない存在だ。
そこまでしてグラスにこだわったのは先述のように、OFF COLAのクリエイティブにおいて「オフタイムでの一連の体験価値」を最も重視していたからである。仕事が一息ついたタイミングでコーラシロップを注ぎ、割って、ドリンクを作る───「そのときOFF COLAの隣には絶対にグラスがある」。ワインとは異なり、炭酸が入っているシャンパンを最高のシチュエーションで飲むべくして作られたシャンパングラスがあるように、OFF COLAを極上のオフタイムの中で飲んでもらいたい。そのシーンで得られる体験価値を問い直し、クリエイティブの判断軸に据えたからこそ、従来のクラフトコーラやドリンクではほぼ見られなかった「グラスへのこだわり」をとことん追求できたのだ。
この「どんなときに、どんなふうにOFF COLAを飲んでほしいか」というシンプルな問いはOFF COLAが生み出すコラボレーションにおいても欠かせないエッセンスとなっている。
次回はこれまでOFF COLAが生み出してきたコラボレーションの事例を交えて、コラボレーションに込められた背景やクリエイターとの関係性を紐解く。
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今回はOFF COLAのクリエイティブに込められた想いについて紹介しました。いかがだったでしょうか。ぜひOFF COLA特製グラスをお手元に用意して、味わってみてくださいね。
いつものオフタイムが、極上のオフタイムに感じられるかもしれません。