OFF COLAにまつわる人、カルチャー、ものについて、幅広く連載するカルチャーメディア「OFF COLA CLUB」。OFF COLAの誕生秘話を松池自らが語る連載「OFF COLAができるまで」では、これまで意外と語られてこなかった話を全5回に分けて紹介していきます。第一回目の前回は、OFF COLAのルーツ「ヒッピー(Hippie)に焦点を当ててお話ししました。
https://offcola.citycamp.co.jp/blogs/media/offcola1
今回のテーマは、OFF COLAの素材やクラフトマンシップについて。意外と知られていないのですが、OFF COLAは人工甘味料、着色料、保存料、白砂糖を一切使用していません。その上、カフェインフリー。さらにパッケージではプラスチック素材を使用せず、環境負荷にも配慮したデザインになっています。そんな背景にはOFF COLAを支える、キーパーソンの存在があったとか。現在のOFF COLAが出来上がるまでのストーリーについて、創業メンバーとの裏話を交えて紹介します。
Text : Ayuka Moriya , Edit : Kyosuke Matsuike
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きっかけはサステナビリティに関心を抱くメンバーの存在
昨今見られる環境問題へのアクションは、若者を中心とした世界的ムーブメントだ。気候変動は思っているよりも急激に進んでいて、一刻も早く対策を打たなければ手遅れになる。そんな考えから、環境負荷に配慮したライフスタイルを選択する若者も少なくない。また環境はもちろん、生産者の労働問題や社会的背景、動物愛護に配慮した「エシカルな暮らし」を営むモデルやインフルエンサーも増えている。
しかし社会の流れがそうだったからといって、OFF COLAが環境に配慮したドリンクとして生み出されたわけではない。前回も話したようにOFF COLAが目指すのは、忙しない現代の中で欠かせないリラックスドリンクのアイコンであること。
ではなぜそこまで素材に徹底的にこだわり、環境にも配慮したコーラが出来上がったのか。その背景には一人のメンバーの存在がある。当時、彼女はOFF COLAをプロデュースするライフスタイルブランド「CityCamp」にとって、唯一の正社員。
そして、何よりサステナブルでエシカルな暮らしを実践する当事者でもあった。「今、新しいものを生み出すなら、環境や自然に配慮する必要があるのではないか」。
当時、積極的にアクションを起こしていたわけではなかったが、キャンプをはじめアウトドアカルチャーを嗜む松池もこれに強く共感。メンバーのライフスタイルから生まれた一つの問いかけが、環境に配慮し、素材に徹底的にこだわるOFF COLAのスタンスをつくりあげていったのだ。
とはいえものづくりへの思いこそあれど、松池含め当時のメンバーは飲食立ち上げ経験もなければ、食のプロフェッショナルは誰一人としていない状況だった。そこにコーラ愛好家でもある、国内トップパティシエ・林巨樹が監修として加わることになる。林は糖質によって広がる香り成分や抽出温度帯、スパイスの粒度など、すべてにこだわり、何度も試作を繰り返した。そして長期にわたる試行錯誤の末に『pm6:00』と『am2:00』という、異なる二つのOFF COLAを生み出した。この話はまた別の機会に。
OFF COLAに込められたクラフトマンシップ
クラフトコーラをはじめ、クラフトビールやクラフトチョコレートなど、少量生産でつくられるクラフト商品が注目されている今。クラフトコーラの魅力は、スパイスと柑橘類の組み合わせやアレンジに応じて変幻自在な味を楽しめるところにある。一般のコーラがいわゆるコーラの味に限られているのに対し、クラフトコーラは種類によって全く違う味がする。OFF COLAが販売当初から時間をコンセプトにした二つの味を並べているのも、そんな種類豊富なスパイスの違いや香りを楽しんでほしい、ひいては、スパイスを入口にライフスタイルの根幹である「食」を楽しんでほしいと思ったから。
今でこそ地域に根ざした素材でつくられたクラフトコーラがたくさん存在するが「OFF COLAはそのどれよりも素材と『手触り感』にこだわって作り抜いた自信がある」と松池は話す。シロップだからこそ、アレンジも多様だ。しかしそれだけではない。ザラザラした箱、ラベルにもクラフト素材を利用するなど、クリエイティブの面でもとことん手触り感を追求している。そんなクリエイティブについてはまた次回、深ぼっていく。
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今回はOFF COLAの素材や込められたモノづくりへの想いについて紹介しました。次回はOFF COLAのクリエイティブについての秘話に迫ります。